スピーカーLINK集
電気によって音を出す機器には、スピーカー以外にチャイムやブザーやベルなどがあるが、これらは警告音などの大きな音を発生させることを目的としており、決まった振動数の音や固定されたメロディを発生させるのが普通である。それに対してスピーカーは、声や楽器音などの自然音をマイクロホンなどで電気信号に変換し、それを再び元の音波として再生することを目的としている。したがって、入力された電気信号の波形を忠実に音の波形へ変換する必要性から、生成される音に歪みや雑音などがなるべく加わらないように設計される。
スピーカーは、肉声や音楽をその場で大音響にして遠くまで伝える「拡声器」(メガホン)、携帯電話やラジオ・テレビ受信機、そして、音楽などをより原音に忠実な音で再生するための高級オーディオ機器に到るまで様々な音響製品に組み込まれ、それぞれの目的に応じた多くの形式がある。
スピーカーは、グラム単位の質量を有する振動板を動かすという構造上、歪みはどうしても大きくなる。適切に設計されたスピーカーの中には、可聴域(100ヘルツ以上)の歪率が0.5%を切るものも存在するが、それでも他の機器(CDプレーヤー、アンプなど)の歪率が0.01%を切っていることを考えると2桁以上大きな歪率である。
歪みを発生させる非線形部品としてはダンパーやエッジ、そして設計が悪い磁気回路などが挙げられる。これらの非線形効果が顕著になるのは振幅が大きい低音域のときである。また、低音用の振動板は重いため慣性による逆起電力(制動力)を発生させ、これも歪みの原因となる。このためスピーカーの歪みは低音域で発生しやすく、実際に測定してもそのような結果になる。
オーディオ用スピーカーが広い指向性を理想としているのに対し、指向性を絞って特定の方向に大きな音を伝えたい場面も存在する。たとえば学校教育現場のアナウンス、交通機関の案内放送、街宣車などである。
理論上は指向性を絞るには振動板を大きくすればよいが、直径数m以上ものが必要となり非現実的である。そこで、ホーンと呼ばれる円錐形に広がる管を取り付けたスピーカーが、上記用途の拡声器として使われている。
周波数が高ければ指向性が増すため、超音波を小さな振動部から指向性の強いビーム状で送り出し、音の歪みを利用して可聴音として人間が聞き取れるようにしたパラメトリック・スピーカーというものもある。
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